英語の助動詞として知られる will と would には実は法助動詞という名前があります。
法を簡単に説明すると、話し手がその出来事をどのように捉えているか、どの程度現実のものとして扱うかというスタンスを動詞の形や助動詞を使って表す仕組みのことです。
つまり、意志や推量といった複数の用法を持つ will や would という助動詞の中心には共通する概念があることを表しています。
この核心的なニュアンスを理解すれば、
- 推量・意志といった用法の違い
- will と would の違い
- would often と used to の違い
を暗記する必要はなくなります。
will と would の本質を掴んで、効率的に助動詞を攻略していきましょう。

つまり何の役に立つの?

仕組みが分かれば使い分けには困らないよ
法助動詞 will の使い方
will には名詞としての用法があり、意志という意味を表します。法助動詞の will もこの意志という意味に関係があることがポイントです。
Will you marry me?(私と結婚してくれますか?)の返答が I will. であるように、助動詞としての will は必ず~するというかなり強い意志が根幹にあります。
そのため未来ではこうしているに違いないという話し手のスタンスに基づいて、未来表現としても使われるのです。
そこから、こうしますという意志やこうするだろうといった推量を表す用法だけでなく、未来でも変わらず行うに違いない習慣や拒絶を表すこともできます。
will は他の法助動詞と異なり肯定文でも短縮形があります。主語の後ろに「’ll」をつけて I’ll や You’ll のように表します。
また not を用いた否定の短縮形も少し特殊で、won’t と表します。これは、will の古い形である wol の否定形がそのまま現代に引き継がれたためです。

ちなみに That’ll や There’ll のように無生物でも短縮できるよ
意志を表す will
will の最も基本的な用法です。意志未来とも呼ばれ、話し手の意志や決意を表します。
必ず~するということは、言い換えるとこれからそうする「つもりである」ということです。
I will go on a diet next month.
(来月ダイエットを始めるつもりです。)
I will study harder.
(これからもっと一生懸命勉強します。)
推量を表す will
必ず~するという強い意志の中には、自然とそうなる「だろう」という推量が含まれています。
この推量を表す will のうち、イベントの開催予定など話し手の主観的な憶測をほとんど含まず、未来に確実に起こることを述べる用法は単純未来と呼ばれることもあります。
ただし単純未来というのはあくまで文法上の区分であり、実際の英会話で推量か単純未来かを意識して使い分ける必要はありません。
大切なのは、未来に起こる出来事が「必ずそうなる」だろうという推量が will の核心にある点です。
It will rain tomorrow.
(明日は雨が降るだろう。)
The meeting will start at 10.
(会議は10時に始まる予定です。)
▸ 単純未来と呼ばれる用法、未来を推量するニュアンスは変わらない

どちらにせよ必ず~するだろうという強い意志や判断があることがポイントだね
習慣を表す will
will が持つ必ず~するというニュアンスは未来の事柄だけでなく、いつもそうする・そうなる傾向にあるという普遍的な習慣を表すこともできます。
この時の will には単なる事実としての習慣を示す現在形とは異なり、その人・モノはそうせずにはいられないという意志や性質に焦点が当たります。。
つまり、行動の裏にあるその人らしさ・そうなりがちな性質を強調するのが特徴です。
Boys will be boys.
(男の子はいつもそうだ。)
この用法の will が意志を持たない無生物に対して使われる場合、話し手はその性質が誰か・何かの働きかけによって引き出されることを暗示しています。
Oil floats on water.
(油は水に浮くものだ。)
▸ 普遍的な真理を表している
Oil will float on water.
(油は水に浮くものだ。)
▸ 誰かが(実験などで)そうしようとしている

法助動詞が表す主観的なニュアンスがポイントだね!
拒絶を表す will
will が否定文で使われると必ず~しないという強い否定の意志を表し、「~しようとしない」という拒絶のニュアンスを持ちます。
この拒絶を表す will は、モノがまるで意志を持っているかのようだという比喩的な表現として、人だけでなく無生物に対してもよく使われます。
She won’t stop crying.
(彼女は泣くのをやめようとしない。)
This door won’t open.
(ドアがどうしても開かない。)

「そうしない」ではなく「そうしようとしない」という意志が含まれているのが特徴的だね
Will you と Can you の違い
will が疑問文で使われると意志を表す will の延長として「~するつもりですか」という未来の予定を尋ねる表現になります。
Will you attend the meeting?
(会議に参加しますか?)
そこから意味が広がり「~してくれますか?」という依頼や「~しませんか?」という勧誘を表すことができます。
Will you open the window?
(窓を開けてくれますか?)
Will you come with me?
(一緒に来ませんか?)
では、この依頼を表す will と can の違いはどこにあるのでしょうか。
ここでのポイントは、それぞれの法助動詞の核心にあるニュアンスの違いです。Will you ~? は相手の意志に注目した表現で、その行為を実際にやってくれるかどうかを尋ねています。
一方で Can you ~? は相手の能力や状況に焦点が当たります。実際にやってくれるかどうかは別として、できるのかできないのかを尋ねることが大きな違いです。
そのため、Can you ~? は同じ文脈でも言い方によって皮肉っぽく聞こえることがあります。例えば、相手が当然できるはずのことに対して使うと、「できないの?」という非難や不満のニュアンスを表すことが可能です。
Can you open the window?
(窓を開けてくれますか?)
▸ 言い方によって「できるでしょ?なぜしないの?」というトゲのある言い方になる

否定疑問文(Can’t you ~?)を使うとさらに皮肉めいた言い方ができるよ

Would you ~? と Could you ~? の違いも同じだよ
法助動詞 would の使い方
法助動詞 would は形式上は will の過去形ですが、現在の文脈で使われる場合、時間的な過去ではなく現実との距離感を表します。
あえて現在の文脈で過去形を使うことで、その出来事を現実から少し遠ざけて捉えている話し手のスタンスを示しているのです。
つまり、もしかしたら~するという will よりも一歩引いた遠回しで柔らかい話し手のスタンスを表し、
- 丁寧な依頼・提案
- 控えめな推量
- 仮定法
などで使われやすいことが特徴です。
would が過去形として扱われる助動詞の中でも特徴的なのは、will のように肯定文でも短縮されるという点です。
口語ではI’d / You’d / It’d のように短縮されます。過去完了形で用いられる had も同じように短縮されるため、文脈から意味を判断しなければならない点に注意が必要です。

否定形 would not は wouldn’t と短縮されることも覚えておこう
丁寧な申し出・依頼を表す would
would は could と違い許可を表す用法はありません。そのため基本的には疑問文として Would you ~? の形で使われ、「(もしよろしければ)~してくれませんか?」という丁寧な依頼や提案を表します。
Would you do me a favor?
(1つお願いを聞いてくれませんか?)
また、would like の形で「(もしかしたら)~のほうが好きかもしれない」という遠回しな言い方をすることができます。want(~が欲しい)よりも丁寧で上品な表現としてフォーマルな場面で好んで使用されます。
加えて want to が「~したい」という意味を表すように、would like to の形で「(もしよろしければ)~したいのですが」という控えめな申し出や提案を表すことも可能です。
Would you like some water?
(お水はいかがですか?)
I’d like to make a reservation for tonight.
(今晩、予約を取りたいのですが。)

Would you like ~? と I’d like to ~ は大人の英語を話すうえで欠かせない表現だよ!
可能性・推量を表す would
もしかしたら~するというスタンスを表す would は、will の「そうなるだろう」という強い確信には及ばない、遠回しで控えめな推量を表します。
この用法における would と could の違いはやはり、それぞれの法助動詞が持つ核心的なニュアンスにあります。
would は(もしかしたら)そうなるだろうという話し手の確信や見通しを表し、ある程度未来が確定しているイメージを伴います。
一方で could はそうなるかもしれないという可能性そのものについて言及します。つまり、他の可能性も残されており would ほど断定的ではないことがポイントです。
That would explain why she was upset.
(それで彼女が怒ってた理由も説明がつくね。)
I’d say he’s about 30.
(恐らく、彼は30歳くらいです。)
▸ I’d say ~(この場合はもしかしたら~と言うだろう)= 私の意見では~

would は日本語で言うところの「知らんけど」みたいに、まぁ多分そうやろって感じだね

could は「ワンチャン」「なくもない」みたいに、そうなるかもって感じだよ!
would にはもしかしたらという仮定的なニュアンスが含まれています。
そのため、Would I ~? の形で「もしかして~することがあるだろうか = そんなはずない」という反語的な表現として用いられることもあります。
Would I lie to you?
(私が嘘をつくとでも?)
▸ 私はもしかして嘘をつくのだろうか → そんなはずはない
過去形としての would
would が純粋な will の過去形として使われる場合、必ず~したというニュアンスを持ち、習慣や拒絶といった用法をそのまま引き継ぎます。
この内、否定文で表される「~しようとしなかった」という過去の拒絶のニュアンスは問題なく伝わりますが、習慣を表す would には少し注意が必要です。
必ず~したということは毎回欠かさずしたということを意味しますが、実際にはそんなことはほとんど起こりえないからです。
そのため、過去の習慣を表す would はしばしば often や sometimes といった頻度を表す副詞を伴ない、「よく~したものだ・時々~したものだ」という意味になります。
The car wouldn’t start this morning.
(今朝、車がどうしても動かなかった。)
▸ 拒絶の will の過去形としての would
My grandmother would often tell me stories before bed.
(祖母はよく寝る前にお話をしてくれたものだった。)
▸ 習慣の will の過去形としての would
would と used to の違い
ここで疑問になるのが would と used to の違いです。
どちらも「昔はよく~した」という過去の習慣を表しますが、両者には焦点の当て方に微妙な違いがあります。
法助動詞 would は話し手の主観的なスタンスを表します。つまり、過去の習慣を表す would は意志を持ってそうしていたという情緒的な回想を描写しているのです。
一方で疑似法助動詞である used to は動詞から成り立ち、客観的な事実を描写します。過去にはそういう習慣があったが今はもうない、という状態の変化に焦点が当たることがポイントです。
そのため、used to は live や have といった状態動詞にも使うことができる点が would との大きな違いです。
My grandmother used to tell me stories before bed.
(祖母はよく寝る前にお話をしてくれた。)
▸ お話をしてくれたが今はそうじゃないという客観的な変化・事実を述べている
I used to live in Tokyo.
(昔は東京に住んでいた。)
▸ 変化・事実に着目するので動きを伴わない状態動詞にも使える

ちなみに、used to のようないくつかの語のカタマリで助動詞的な働きをする語句を疑似法助動詞と呼ぶよ
will と would まとめ
助動詞の will は意志・推量・習慣・拒絶といった複数の意味を表しますが、その根幹には必ず~するという話し手のスタンスがあります。
will の過去形としても扱われる would は、単純に will よりも時間的に過去であることを表しているわけではなく、あえて過去形にすることで現実との距離感を示し、もしかしたら~するという will よりも控えめなニュアンスを表しているのです。
will と would の違いはこの確信度の差にあります。
また、Will you ~? と Can you ~? や、would と used to を使い分ける際にもこの will, would が持つニュアンスが大切になります。

will の用法はどれも必ず~するという話し手の強い気持ちを表していて、過去形の would はそれよりも控えめなニュアンスがあることがポイントだね!

That’ll be of help.
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