英語の形容詞は名詞を修飾しますが、置く順番で意味が変わるものもあります。
- a certain cat(ある猫)
- I’m certain I can handle it.(できると確信している)
- a responsible man(責任感のある人)
- a man responsible(責任者)
一見すると暗記するしかないように思えますが、実は形容詞の置き方には表したい内容によってある程度規則性があります。
この記事では限定用法・叙述用法・後置修飾が表す内容から、形容詞の使い方の裏にあるネイティブ的な感覚を解説します!

つまり何の役に立つの?

「限定だから・叙述だからここに置く」という暗記じゃなくて、「こういうことを表したいからこの置き方になる」という感覚が分かるよ
限定用法とは
形容詞は基本的に名詞の前に置かれ、その名詞の「性質」を説明することが特徴です。
I gave her beautiful flowers.
(彼女に美しい花をあげた。)
▸ beautiful が flowers の性質を説明している
He ordered iced coffee.
(彼はアイスコーヒーを頼んだ。)
▸ iced が coffee の性質を説明している
このように、名詞の前に置かれる形容詞の働きを限定用法と言います。形容詞を使うことで、対象となる範囲が限定されるからです。
例えば cat という単語には様々な種類の猫が含まれますが、a black cat のように形容詞 black が名詞 cat を修飾した場合、黒色の猫だけが対象になります。

This is a good explanation!
形容詞が複数あるときの順番
若い黒猫、でかい黒猫、かわいい黒猫… 黒い猫にもたくさんの種類がいます。
表したい性質の数だけ形容詞をつけることができるということです。
いつも決まった並びになるわけではないですが、このときの並べ方にもいくつかの傾向があります。
基本的には以下のような順番になりがちです。

例文で確認してみましょう。
I saw a cute little black cat in the park.
(公園で小さくてかわいい黒猫を見かけた。)
He found three strange, small, round objects on the street.
(彼は道で小さくて丸い形をした奇妙な物体を3つ見つけた。)
形容詞の並べ方の順番は、要素の頭文字をとって AN OSAS COMP という語呂合わせで教えられることもありますが、無理に暗記する必要はありません。
形容詞を5つも6つも使う場面はあまりないからです。
大事なのは、“主観的な意見 → 客観的な情報” という流れです。

言いたいことがたくさんあるなら、いくつかの文に分けてもいいよ
叙述用法とは
叙述とは、物事の様子(性質や状態)を述べることです。
第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)の補語 C がこれにあたります。
The cat was cute.
(その猫はかわいかった。)
▸ cute が cat の性質を説明している
Studying English makes me tired.
(英語の勉強は私を疲れさせる。)
▸ tired が me の状態を説明している

まあ名前なんてどうでもいいさ

後ろに名詞が来ないパターンもあるってことだね!
限定用法・叙述用法の違い
形容詞の中には、
- 限定用法でしか使えないもの
- 叙述用法でしか使えないもの
が存在します。また、限定用法と叙述用法(置く位置)で意味が変わる形容詞もあります。
どちらか一方でしか使うことのできない形容詞は以下のルールに当てはまることが多いです。
- 限定用法:名詞の「永続的な性質」を表す
- 叙述用法:名詞の「一時的な状態」を表す
一覧で確認してみましょう。

The cat is black. みたいに限定・叙述のどちらでも使える形容詞はその限りではないよ
限定用法でしか使わない形容詞
| 形容詞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| daily | 毎日の | a daily routine |
| elder | 年上の | an elder brother |
| main | 主な | a main feature |
| total | 合計の | a total amount |
| wooden | 木製の | a wooden spoon |
叙述用法でしか使わない形容詞
| 形容詞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| afraid | 恐れて / 残念で | I’m afraid I can’t. |
| alive | 生きて | It’s alive and kicking. |
| asleep | 眠って | He fell asleep. |
| tired | 疲れて | I’m tired. |
| glad | 喜んで | I’m glad to hear that. |

余談だけど a から始まる形容詞は叙述用法になりがちだよ
限定・叙述で意味が変わる形容詞
| 形容詞 | 意味 (限定/叙述) | 限定用法 | 叙述用法 |
|---|---|---|---|
| certain | ある種の / 確信している | a certain species | I’m certain that I could win. |
| present | 現在の / 出席して | the present situation | All the students were present. |
この分類には right(右の / 正しい)や、late(故 / 遅れて)も含まれることがありますが、これらはただの多義語です。
a right angle や a late train のように、叙述用法として紹介される意味も限定用法で使うことができるからです。

性質と状態の中間にあるから、どっちにもなれるって感じだね
後置修飾の勘違い
名詞を修飾することができるものには、形容詞の他に関係代名詞があります。
関係代名詞には、
- 後置修飾:名詞を後ろから修飾する
- 縮約 :関係詞 + be動詞を省略可
という特徴があります。
そのため、例えば a cat that is sleeping のような文は a cat sleeping という形に省略することができます。
形容詞の後置修飾は限定用法の一部として紹介されることが多いですが、実際には叙述用法的な内容なのです。
つまり、後ろから修飾する場合は一時的な状態を表すことが多いということです。
The sleeping cat is the symbol of this town.
(寝てばかりいるその猫はこの町のシンボルだ。)
▸ sleeping が「寝てばかりいる」という cat の性質を説明している
The cat sleeping is the symbol of this town.
(眠っているその猫はこの町のシンボルだ。)
▸ sleeping が cat の「眠っている」状態を説明している

後置修飾の中身は叙述用法だから、前から修飾する限定用法とは意味に差がある場合が多いよ!
また、形容詞が他の語句を伴って長くなる場合は後ろから修飾する、という風に説明されがちですがこの説明は不十分です。
先ほどの a cat sleeping のように1語でも後置修飾はできるからです。
後置修飾はそもそも後ろから修飾したうえで、関係代名詞と be動詞を省略しているだけなのがポイントです。
She is a famous author.
(彼女は有名な作家だ。)
She is an author famous for cooking recipes.
(彼女はレシピ本で有名な作家だ。)
▸ author who is famous for… が省略されている
加えて something, anyone のように、-one や -thing で終わる語の後ろに1語の形容詞が来るのも同じ理屈で説明できます。
responsible や present だけを名詞の直後に置くことができるのも同様です。
I want to eat something sweet.
(なにか甘いものが食べたい。)
▸ something that is sweet が省略されている
Employees present were gathered.
(出席している従業員は集められた。)
▸ Employees who are present が省略されている

例外でもなんでもないってことさ
形容詞の順番 まとめ
形容詞の置き方は、そのすべてを統一のルールで説明することはできませんが、ある程度の規則性があります。
- 限定用法:名詞の性質を説明する
- 叙述用法:名詞の状態を説明する
限定用法の形容詞の並べ方にも、主観的な意見 → 客観的な情報という流れがあります。
また後置修飾は関係代名詞が省略されたもので、名詞を前から修飾する限定用法とは異なり、叙述用法に近い内容を表します。
大事なのは、表す内容によって置かれる位置が変わるということです。
この感覚がわかれば、形容詞一つ一つの使い方を暗記する必要はなくなります。

限定・叙述用法という言葉がなにを表しているかが大事ってことだね

That’s right.
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