【使役動詞・知覚動詞まとめ】基本用法から受動態の to不定詞まで

動詞

英語の知覚動詞・使役動詞には他の動詞にない特別な用法があります。

  • 知覚動詞:見る・聞くといった五感に関わる動詞
  • 使役動詞:人に何かをさせる働きを持つ動詞

一見するとまったく別のグループに見えますが、実はどちらも「目的語 + 原形不定詞」という独特の形をとる点で共通しています。

原形不定詞とは通常の to不定詞と違って to を伴わない動詞の原形のことです。さらに重要なのは、これらの構文が受動態になると to不定詞に変化するという点です。

そこでこの記事では、「知覚動詞・使役動詞とは?」といった基本的な部分からおさらいし、受動態での振る舞いが変わる理由についてわかりやすく解説します。

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

つまり何の役に立つの?

<strong>おさかな</strong>
おさかな

原形不定詞は使いどころが限定的なくせに、日常会話では割とよく見かけるから知らないと困る表現だね

使役動詞とは

使役動詞とは、使役動詞 + 目的語(人)+ 動詞の原形の並びで「人に〜させる」「人を〜させる」といった意味を表す動詞です。

原形不定詞をとる純粋な使役動詞は以下の3つしかありません。

使役動詞の強さと使い分け

動詞意味ニュアンス
make〜に…させる強制
have〜に…してもらう依頼・当然の行為
let〜に…させてあげる許可

make は強制力の強い使役動詞で、相手の意思に関係なく人が~する状態を無理やり「作る」 といったニュアンスで使われます。

そのため、上下関係がはっきりしている場面(上司と部下、親と子など)で用いられます。例文で確認してみましょう。

The teacher made us stay after class.
(先生は私たちを放課後残らせた。)

She made him apologize in front of everyone.
(彼女は彼に皆の前で謝らせた。)

使役動詞の have は役割上の仕事や機会を人に「持たせるイメージの使役動詞です。

make ほどの強制力はなく、比較的フラットな依頼あるいは当然の流れとしてやってもらうことを表す点が特徴で、ビジネスシーンやサービスを頼む場面でよく使われます。

We had the waiter bring us some water.
(ウェイターに水を持ってきてもらった。)

The manager had the staff prepare the documents.
(マネージャーはスタッフに書類を準備させた。)

let は最も強制力が弱く、「~させてあげる」「~してもいいよ」といった許可や自由を表します。Let’s go. のように提案的なニュアンスともつながっていて、むしろ相手を尊重する響きがあります。

My parents let me stay up late on weekends.
(両親は週末は夜更かしさせてくれる。)

The teacher let the students use their phones.
(先生は生徒が携帯を使うのを許した。)

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

「使役動詞 + 目的語 + 動詞の原形」という語順に注意だね!

<strong>おさかな</strong>
おさかな

ちなみに Let’s ~ は let us の省略形で、us が目的語になっているよ!

あわせて知りたい

知覚動詞とは

知覚動詞とは人間の視覚や聴覚といった五感を通して「何かを見た・聞いた・感じた」といった体験を表す動詞です。

人やモノが何かをする・している・されている様子を見たり聞いたりすることを表すのが特徴です。

一部の知覚動詞では、目的語の後ろに原形不定詞・現在分詞・過去分詞のいずれも置くことができ、微妙なニュアンスの違いを表現することができます。

知覚動詞は使役動詞に比べて種類が多いため、すべてを一度に覚える必要はありません。まずは日常会話や試験でよく登場するものを例文とともに一覧でおさえておきましょう。

知覚動詞一覧

知覚動詞には大きく分けて他動詞として働くものと、「自動詞 + 前置詞」の形で群動詞として機能するものの2つがあります。

他動詞用法の知覚動詞

動詞意味例文
see〜が…するのを見るI saw him run.
watch〜が…するのを見守るI watched her dance.
hear〜が…するのを聞くWe heard them sing.
feel〜が…するのを感じるI felt the ground shake.
<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

余談だけど、

  • see :視界に映る
  • look :意識して見る
  • watch:動く可能性のあるものを注意深く見る(映画、荷物など)

って感じで使いわけられるよ

自動詞 + 前置詞の形をとる知覚動詞

動詞意味例文
look at~を見るHe looked at the girl.
glance at〜をちらっと見るHe glanced at his watch.
stare at〜をじっと見るShe stared at the painting for hours.
listen to~を聞くI listened to the birds singing.
<strong>おさかな</strong>
おさかな

I listened to the birds (that were) singing. みたいに関係代名詞を使うことで似たような形を作れるけど、自動詞 + 前置詞型の知覚動詞は原形不定詞をとることはできないよ

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

目的語の後ろに原形不定詞を直接置けるのは、他動詞用法の知覚動詞だけってことだね

あわせて知りたい

知覚動詞が原形不定詞をとる場合

知覚動詞の目的語の後ろに原形不定詞が来る場合、動詞に応じて「人やモノが~するのを見る、聞く」といった意味を表します。

動作の一部ではなく動作の始まりから終わりまでの一部始終を1つの出来事として捉えることがポイントです。

She heard the baby cry in the middle of the night.
(彼女は赤ん坊が夜中に泣くのを聞いた。)

▸ 泣き始めから泣き声全体を聞いた

I felt the building shake during the earthquake.
(地震のとき建物が揺れるのを感じた。)

▸ 揺れ全体を体感した

知覚動詞が現在分詞(ing形)をとる場合

知覚動詞の目的語の後ろに現在分詞が来る場合、動詞に応じて「人やモノが~しているのを見る、聞く」といった意味を表します。

日本語にすると違いが曖昧ですが、動作全体ではなく進行途中の出来事を知覚したことを表すのが、原形不定詞の場合との違いです。

  • 原形不定詞:出来事全体を見届ける
  • 現在分詞 :その一場面を捉える

She heard the baby crying in the middle of the night.
(彼女は真夜中に赤ん坊が泣いているのを聞いた。)

▸ 泣き始めて気づいた

He noticed his phone ringing.
(彼は自分の携帯が鳴っているのに気づいた。)

▸ 鳴り始めて気づいた

知覚動詞が過去分詞をとる場合

知覚動詞の目的語の後ろが過去分詞になると、目的語が受動的に何かをされる様子を知覚する表現になります。

つまり、「人やモノが~されるのを見る、聞く」といった意味を表します。

目的語(人やモノ)が自分で動作をするのではなく、他者や外部の力による動作を受ける立場にあることを表すのがポイントです。

This child heard his name called.
(この子供は自分の名前が呼ばれるのを聞いた。)

I saw him hit by a car.
(彼が車にひかれるのを見た。)

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

hit みたいに原形と過去分詞の形が変わらない動詞は文脈で判断しよう!

使役動詞・知覚動詞はなぜ動詞の原形をとるのか

使役動詞とは誰かに何かを ”させる” 動詞です。また、知覚動詞とは誰かが何を ”する・している・されている” ことに気付く動詞です。

つまり、使役動詞や知覚動詞が扱うのは行われた行為そのものであり、それらを表すには動詞が一番都合が良いのです。

そのうえで、使役動詞・知覚動詞が既に時制の変化を担っています

したがって、目的語の後ろに来る動詞(原形不定詞)に求められることは行為の内容を描写することだけになり、時制を表す必要がなくなるため原形になるのです。

<strong>おさかな</strong>
おさかな

そういう文法があるからこの語順になってるわけじゃないってこと

では、使役動詞が原形不定詞のみをとる一方で、知覚動詞が現在分詞・過去分詞もとることができるのはなぜでしょうか。

使役動詞の本質は「行動に移させる(開始させる)」ということです。

話者が強調したいのはさせた行動の内容で、その後その動作が続いているか完了しているかは重要ではありません。そのため、使役動詞の目的語の後ろは基本的に、動作そのものを表す原形不定詞が来るのです。

一方で知覚動詞の本質は「行動を観察し捉える」ことにあります。

そのため、途中の一場面を切り取るために現在分詞を使うことができますし、されている状態を表すために過去分詞を使うこともできるのです。

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

現在分詞や過去分詞は時制を持たないから知覚動詞の邪魔をしないこともポイントだね

使役動詞・知覚動詞の受動態

使役動詞と知覚動詞の後ろは原形不定詞(動詞の原形)がくると説明しましたが、これらの動詞が受動態で使われると原形不定詞は to不定詞(to + 動詞の原形)に変化します。

ここで大事なのが、文法的に可能かどうかと実際に自然に使えるかは別だという点です。

実際の試験や会話でよく登場するのは made to do と seen to do の2つです。

heard to do もニュースや記録文では使われることがありますが、日常会話では受動態にするより heard + doing の形の方が一般的なことに注意しましょう。

また、使役動詞の let は受動態でそのままいうよりも、意味として対応している be allowed to(~することを許されている)を使うのが一般的です。

Someone made me clean the room.
(私に部屋を掃除させた。)

→ I was made to clean the room.
  (私は部屋を掃除させられた。)

Someone saw him enter the building.
(彼がその建物に入っていくところを見た。)

→ He was seen to enter the building.
  (彼はその建物に入っていくところを見られた。)

<strong>おさかな</strong>
おさかな

ちなみに He was seen entering the building. のように知覚動詞の受動態は分詞をとることもできるけど、違いは能動態の時と同じだよ

Someone heard her shout in the next room.
(彼女が叫ぶのを聞いた。)

→ She was heard to shout in the next room.
  (彼女は隣の部屋で叫んだのを聞かれた。)

受動態とは、本来主語である「人やモノ」ではなくその人やモノによって引き起こされた事実を主語にして出来事を捉えなおす表現です。

上の3つの例文の能動態が someone で表されているように、受動態は「誰・何がそうした」という情報が必ずしも重要ではありません

そのため、例えば like(~は…が好きだ)や suit(~が…に似合う)のように「誰が・何が」という情報が核にある動詞は、受動態として使われることは基本的にありません

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

He wants to be liked.(彼は好かれたい。)みたいに「誰にをはっきりさせたくない場合はあえて使ったりもするけどね

have, let といった使役動詞や see, hear 以外の知覚動詞が受動態であまり使われない理由も同じです。これらの動詞は「誰がそうさせたのか」「誰がそのように感じたのか」を表すため、受動態にすると動詞本来の意味が失われ文として成立しにくくなるのです。

一方で make は、例えば make A into B(AをBに変える)や make out(~を理解する)のように、使役動詞としての用法以前に make そのものが出来事の内容・結果に焦点を当てやすい動詞です。

また、see や hear は視界に映る / 耳に入ることを表すように、行為の結果として得た内容に焦点が当たりやすい動詞です。

よって、make, see, hear は「誰が」という動作主が省かれても意味が成立しやすく、受動態にしても比較的自然に使うことができるのです。

<strong>おさかな</strong>
おさかな

「誰が」よりも起きた事実にフォーカスするから、受動態の seen は推理小説や刑事ドラマで事件の証拠として「目撃された」という文脈でよく出てくるよ

原形不定詞の受動態はなぜ to不定詞になるのか

現代ほど語順が固定されていなかった古い時代の英語では、「動詞 + 目的語 + 原形不定詞」のような形をとる構文が自然に存在していました。

使役動詞や知覚動詞は命令する行為や見る・聞くといった比較的原始的な行動を描写する傾向にありますが、つまりこの形は古い時代の英語の名残ということです。

そのため、現代でも特定の動詞が目的語をとる場合に限り、その後ろに原形不定詞を置くことが形式的に許されています

I made him clean the room.
(私は彼に部屋を掃除させた。)

made が目的語 him を取っているので、clean を置くことが許されている
(made + him clean がセットである必要がある)

一方で受動態は、目的語を主語にして出来事を捉えなおす表現です。

使役動詞や知覚動詞が原形不定詞をとる文を受動態にすると、後ろに原形不定詞を置くための触媒である目的語が主語の位置に移動してしまいます。

つまり、動詞の直後にもう1つ動詞をそのまま続ける形になり、英語として許される語順ではなくなってしまうのです。

英語では、動詞のあとにもう1つ動詞を続けたい場合は基本的に to不定詞を使います。

例外的に「目的語 + 原形」を許す make や see ですが、受動態ではその例外が使えなくなるため、英語のルールとして to が付くというわけです。

He was made to clean the room.
(彼は部屋を掃除させられた。)

made の直後に目的語がないので、続けて原形不定詞を置くことができない
(made + clean は構文として成り立っていない)

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

諸説あるけどね

<strong>おさかな</strong>
おさかな

そもそも登場の機会は少ないから、made to do, seen to do, heard to do の形で暗記してしまうのがいいかもね

使役動詞・知覚動詞 まとめ

英語の使役動詞・知覚動詞は、目的語の後ろに原形不定詞(動詞の原形)を置くことができる特殊な動詞です。

使役動詞は「人に~させる」という表現で、強制・依頼・許可といったニュアンスを含みます。make, have, let がこれにあたります。

一方で知覚動詞は see や hear といった、見る・聞くといった人間の五感を使った動作を表す動詞です。

これらの動詞が受動態で使われると、原形不定詞は to不定詞に変化します。とくに実用上よく見かけやすいのが made to do, seen to do の形です。

let は受動態では be allowed to が代わりに使われることも覚えておきましょう。

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

I saw you eating my pudding in the fridge.

<strong>おさかな</strong>
おさかな

Let it go.

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