could(~できる / ~かもしれない) や should(~すべき)のような過去形の助動詞は多くの場合、現在の文脈で使用されます。加えて、これらの助動詞の後ろには過去形の動詞を置くことができません。
そのため、「~すべきだった」のような過去の文脈で助動詞を使いたい場合、「助動詞 + have + 過去分詞」という形を用います。
一方、助動詞 have 過去分詞の形は過去の出来事をただ述べているわけではありません。
この記事では、この形に共通する基本的なニュアンスから、
- 過去形の助動詞単体との違い
- could, might, should といった過去形の助動詞が多く使われるのはなぜか
- それぞれの助動詞 + have + 過去分詞の意味と使い方一覧
- 同じ形をとる仮定法過去完了との違い
まで、余すところなく徹底的に解説します。
「助動詞 + have + 過去分詞」の本質を理解して、暗記英語から卒業しましょう!

つまり何の役に立つの?

この形が何を表しているのかが分かれば、使い方には困らないよ!
※ 過去分詞は英語で past participle と呼ばれるため、この記事では p.p. と表記します。
助動詞 have p.p. の使い方のイメージ
助動詞 have p.p. という表現は、「今思えば~だっただろう」という意味を表し、過去のある行為や出来事に対して現在の視点から推量したり評価したりする形です。
そのため、実際にはしなかった・起こらなかったことに対する後悔や非難を表す場面で使われることが多いのが特徴です。
以下の例文で確認してみましょう。
I should have studied English harder when I was a student.
(学生の頃にもっと英語を勉強しておくべきだった。)
▸ 過去に勉強しなかったことを現在後悔している
Grown-ups might have warned me about that.
(大人たちは勉強しておくべきだと教えてくれてもよかったのに。)
▸ 過去に教えてくれなかったことを現在非難している

現在から見た過去の出来事を表しているのがポイントだね!
助動詞 have p.p. はなぜこの形なのか
実は英語の助動詞には種類があり、could や might のような「法助動詞」と、完了形の have のような「相助動詞」に大別されます。
法助動詞の法(mood)とは、話し手がその出来事を現在どのように捉えているか、どの程度現実のものとして扱うかというスタンスを動詞の形や助動詞で表す仕組みです。
could や might のような過去形にあたる助動詞が現在の文脈で使われる理由は、この助動詞が持つ法の働きによるものです。
これらの過去形の法助動詞は、単純に can や may よりも時間的に過去であることを表しているわけではなく、現在の文脈であえて過去形を使うことで現実との距離(確信度の低さ)を表しています。
言い換えると、時制の一致によって純粋な過去形として用いられる場合を除き、過去形の法助動詞だけでは過去に起きた出来事が事実かどうかを判断することはできません。
We could go by train.
(電車で行くこともできる。)
▸ 電車で移動できる可能性を示唆している(過去の出来事とは断定できない)
そこでポイントになるのが、相助動詞 have と過去分詞が作る完了相のニュアンスです。
相(aspect)とは、ある動作がどの時点まで進んでいるかという動作の状態や進行度を動詞の形で表す仕組みです。
過去分詞は動詞の形を変えることで、ある動作がすでに完了しており、その結果が基準となる時点に影響を及ぼしていることを表します。現在完了形がその代表例です。
つまり、助動詞 have p.p. という表現は
- 出来事がすでに起こっている、または起こり得たものとして完結している
- それに対して話し手が現在を基準にどのように捉えているか
という、完了形のニュアンスに助動詞のニュアンスが加わったイメージです。そのため、助動詞 + have p.p. は現在完了形の意味を内包する場合もあります。

過去完了・現在完了みたいに、出来事がどれくらい進んだかを表す「相」と、それがいつ起きたかを表す「時制」は独立した概念なのがポイントだよ!
We could have gone by train.
(電車で行くこともできたのに。)
▸ 過去の出来事に対する他の可能性や選択肢を現在の視点から評価している
He must have finished his homework by now.
(彼は今頃もう宿題を終えてしまっているに違いない。)
▸ 過去の動作の影響が現在に及んでいるに違いないという現在の判断

助動詞 have 過去分詞の形で基本的に過去形の助動詞が使われる理由は過去の出来事を表すためじゃなくて、それを現在評価しているという今更感を出すためだよ

あくまで have p.p. の完了相が過去に言及してるのがポイントだね!
might have p.p. の使い方
助動詞 have p.p. が表す意味は基本的に使われる助動詞が持つニュアンスに依存します。
might は「~かもしれない」という控えめな推量を表す助動詞で、文脈によっては「~してもよい」という控えめな許可・容認を表します。
この might に have と過去分詞が加わることで、過去の出来事に対する
- 「~だったかもしれない」という推量
- 「~してもよかったのに」という不満・非難
という現在の視点からの評価を表します。必ずしも推量の意味になるわけではないことがポイントです。
否定の内容を表す場合、not の位置は助動詞のすぐ後ろに来ます。
He might not have committed a crime.
(彼は罪を犯していなかったかもしれない。)
▸ 過去の出来事に対する現在の視点からの推量(実際に犯したかは分からない)
You might have told me earlier.
(もっと早く言ってくれても良かったんじゃない?)
▸ してもよかったのになぜしなかったの?という不満・非難

あえて過去形の might を使うことで一歩引いた立場から伝えているのがポイントだね
may have p.p. との違い
助動詞 have p.p. は、基本的に現実との距離(確信度の低さ)や心理的な距離を表すために過去形の助動詞が使われます。
一方で、距離を取らずストレートに伝えたい場合は現在形 may を使うこともできます。
この場合、過去の相手の行動に対する不満や非難を述べる用法では少し強く聞こえやすいため、一般的に may have p.p. の形は推量で使われることが多い点がポイントです。
He may have misunderstood what you said.
(彼はあなたの言ったことを誤解したのかもしれない。)
▸ might よりも少し確信の度合いが高い

このあたりは助動詞本来の使い方と一緒だね
could have p.p. の使い方
could は、may, might よりも状況的に考えて現実的なやや確信度の高い推量を表す傾向にあります。
この could に have と過去分詞が加わることで、過去の出来事に対して「~できたはずだ」という別の可能性を提示します。
might の場合と同様に、単純な推量だけでなく、文脈によっては「~できたはずなのになぜしなかったの?」という不満や非難を表せることがポイントです。
She could have been injured in the accident.
(彼女は事故でケガをした可能性もあった。)
▸ might よりも少し確信の度合いが高い
You could have won that game.
(あの試合は勝ってたのに。)
▸ できたのになぜしなかったの?という不満・非難

may, might よりも確信の度合いが強いことがポイントだね
can have p.p. にできない理由
「~することがある」という意味を表す推量の can は、出来事を現在起こり得るという前提で1つの事実として扱う傾向にあります。
普通に考えたらそうなるという話し手の強い確信を表すからです。
つまり、can have p.p. という形は完了した出来事そのものを、現在完了し得る(成立し得る)事実として扱うことになり、意味がちぐはぐになってしまいます。
一方で、否定形である can’t は「~することはない」という意味になります。
出来事を成立し得る事実として捉えるのではなく、それが成立し得ることに対する否定的な評価を表しています。
can have p.p. という形は基本的に使いませんが、一方で can’t have p.p. という形は一般的に使用されることがポイントです。
He can’t have said that.
(彼がそんなことを言ったはずがない。)
▸ 過去の出来事に対する現在の視点からの評価(推量)

will have p.p. の形が未来完了形になるのも同じ考え方だよ!
would have p.p. の使い方
現在形である will が未来形としても使われるように、would は出来事を事実として断定はせず、自然とそうなるだろうという評価を表します。
この仮定的なニュアンスから would have p.p. の形は、条件が整えば~だっただろうという仮定法過去完了として扱われることが非常に多いですが、実際には単純な推量を表す場合もあります。
また、would は could や might よりも確信の度合いが強いため、基本的に不満や非難と言ったニュアンスが加わることはないのが特徴です。
She would have known about the change.
(彼女はその変更について知っていたはずだ。)
助動詞 have p.p. と 仮定法過去完了 の違い
助動詞 have p.p. という形をとる構文には仮定法過去完了もあります。
助動詞 have p.p. は、過去のある出来事に対して「今思えば~だっただろう」という現在の視点からの評価・推量を表します。
文脈によっては実際にどうなったかが必ずしも明示されていないことが特徴です。
現実との距離感を示すために、基本的には過去形の法助動詞が用いられますが、文脈によっては can’t や may といった現在形の法助動詞を使うことも可能です。
一方で、仮定法過去完了は多くの場合 if 節を伴って前提条件を示したうえで、「もしも違う結果だったら~だったのに」という過去に起きた事実とは異なる仮定を表します。
実際にはどうなったか知っていることが明確な違いで、この現実との距離を表すために過去形の法助動詞しか使われないことが特徴です。
He would have helped her. He’s that kind of person.
(彼は彼女を助けたはずだ。彼はそういう人なのだ。)
▸ 推量:彼はそういう人だから助けただろう(実際に助けたかどうかは不明)
He would have helped her. In fact, he didn’t even know about the problem.
(彼は彼女を助けただろう。実際のところ彼はその問題すら知らなかったが。)
▸ 仮定法過去完了:その問題を知っていたら助けただろう(実際は知らなかったので助けなかった)

文法上の名前はさておき、同じ形でも文脈(前提条件)次第で表す内容が異なる点が大事なポイントだね
should have p.p. の使い方
should は「~すべき」という義務や、「~のはずだ」という推量を表す助動詞です。
これに have と過去分詞を合わせた should have p.p. の形は、
- 「~すべきだったのに」
- 「~のはずだったのに」
という起きなかった出来事や行為に対する評価を表します。
そのためネガティブなニュアンスを伴いやすく、自分に向けて使われる場合は後悔、相手に対して使われる場合は批判を表す傾向にあります。
should と似た意味を持つ、ought to を使った ought to have p.p. という形もありますが、should よりも堅い響きがあり、使われることは少ないので覚えなくても大丈夫です。
I should have checked the draft before submitting it.
(提出する前に原稿をチェックしとくべきだった。)
▸ 過去の自分の行為に対する後悔
He shouldn’t have driven that fast.
(彼はあんなに速く運転すべきではなかった。)
▸ 過去の相手の行為に対する批判
The meeting should have started by now.
(会議は今頃始まっていたはずなのに。)
▸ 過去の出来事に対する現在の視点からの推量

どれもネガティブな気持ちが込められているのがポイントだね!
must have p.p. の使い方
must は「~しなければならない」という義務や「~に違いない」という推量の意味を表します。
しかし、must have p.p. の形は「~だったに違いない」という推量しか表しません。義務を表す must を過去の文脈で使う場合、had to で表すことができるからです。
They must have studied very hard.
(彼らは熱心に勉強したに違いない。)
さらにややこしいのが、否定形 must not have p.p. という形はあまり一般的ではないという点です。
これは must の否定形が「~してはならない」という禁止を表す場合が多く、「~だったはずがない」ことを伝えるには can’t have p.p. の方が意味が分かりやすいからです。
They can’t have studied very hard.
(彼らが熱心に勉強したはずがない。)

must have p.p. は推量の意味で、否定形は can’t have p.p. になるってことだね
助動詞 have p.p. まとめ
助動詞 have p.p. は、過去の出来事や行為を現在の視点から評価・推量するための形です。この構文では、
- 完了相:出来事がすでに完了している
- 法 :その出来事を話し手がどうとらえているか
という役割分担が行われています。
そのため単なる過去の事実描写ではなく、「今思えば~だっただろう」「~だったはずなのに」といった、それに対する後付けの判断を表すのが特徴です。
主な助動詞ごとのイメージは以下の通りです。
- might / may have p.p.
→ 控えめな推量・容認(文脈次第で不満を表す) - could have p.p.
→ 可能だった選択肢の評価(不満・非難を表しやすい) - can’t have p.p.
→ 起きたはずがないという否定の推量 - would have p.p.
→ 自然にそうなっていたはずだという結果の評価 - should / ought to have p.p.
→ 正しかった行為への評価(後悔・批判を表しやすい) - must have p.p.
→ 強い確信を持った推量(義務の意味は表さない)
助動詞 have p.p. の形は、実際にどうなったかは必ずしも明確ではありませんが、同じ形をとる仮定法過去完了は、前提条件を踏まえたうえで事実とは異なることを述べる時に使われます。
形だけで判断せず、前後の文脈から正しく意味を読み取ることが大切です。

助動詞 have p.p. は、過去の出来事を現在評価しているのがポイントだね!

Now, it should have made sense.
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