【能力・可能性】can と could の使い方にある違いと共通点

助動詞

英語の助動詞として知られる can と could には実は法助動詞という名前があります。

法を簡単に説明すると、話し手がその出来事をどのように捉えているか、どの程度現実のものとして扱うかというスタンスを動詞の形や助動詞を使って表す仕組みのことです。

つまり、推量や依頼といった複数の用法を持つ can や could という助動詞の中心には共通する概念があることを表しています。

この核心的なニュアンスを理解すれば、

  • 能力・許可・推量・依頼といった用法の違い
  • can と could の違い
  • can と be able to の違い

暗記する必要はなくなります

can と could の本質を掴んで、効率的に助動詞を攻略していきましょう。

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

つまり何の役に立つの?

<strong>おさかな</strong>
おさかな

仕組みが分かれば使い分けには困らないよ

法助動詞 can の使い方

法助動詞 can は「~できる」のイメージが強いですが、コアにあるのはその出来事がいつでも起こり得るとみなす話し手のスタンスです。

つまり条件が整っていることを表し、同じく推量を表す may の「~かもしれない」という個人的な見込みとはこの部分で異なります。この見方を基準に、

  • 能力・可能(実現できる)
  • 許可(実現しても良い)
  • 依頼(実現できますか? → してくれますか?)
  • 可能性(そうなることがある)

のように意味が枝分かれしますが、大事なのは根底にある考え方は共通している点です。

can の否定形は口語的な can’t と、書き言葉で見かける cannot が代表的です。cannot は1語として書かれるのが一般的です。

この理由はすごくシンプルで、cannot が表す意味は基本的に「不可能であること」で、can not という構文としてではなく、cannot という1つの単語として意味が確立しているからです。

<strong>おさかな</strong>
おさかな

稀だけど、can not の形で「~しないこともできる」という意味を表す場合もあるよ

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

You can not go out if you don’t want to.
(外出しないこともできる ≠ 外出できない)

能力・可能を表す can

ある出来事がいつでも起こり得るということは、その行為を実行するための能力や条件がすでにそろっているということです。

必要になればいつでもできることがポイントです。

She can swim very fast.
(彼女はとても速く泳げる。)

▸ 泳ぐことが現実に可能だ(泳げる)

能力・可能を表す can は否定文で「~できない」という意味を表します。この形は表現としての汎用性が高く、日常会話でも使われる言い回しがいくつか存在します

I can’t wait!
(楽しみ!)

▸ 待つことができない = 楽しみすぎて待てない

You cannot be too careful when a lady is involved.
(若い女性が絡む時は、細心の注意を払え。)

▸ いくら注意しても注意しすぎることはできない = 過剰すぎるくらい注意が必要

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許可を表す can

実現するための条件が揃っているということは、それを妨げる理由が特にないということでもあります。

そこから、だからそれをしても差し支えないという容認(許可)につながります。

この用法で使われる can は比較的カジュアルなシーンで登場し、話者の判断に基づいた個人的な許可を表します。社会的な制度やルールによって上の立場から与えられる許可には may を使うことがポイントです。

疑問文では Can I help you?(手伝ってもよいですか? ≒ お手伝いしましょうか / いらっしゃいませ)のように、相手に許可を求める形から、申し出を表すこともできます

You can use my pen.
(私のペン使っていいよ。)

▸ ペンをいつでも使うことができる = 使っても差し支えない

Can I be excused?
(退席してもいいですか? ≒ トイレに行ってもいいですか?)

▸ 退席することはできますか? = 退席しても差し支えないですか?

<strong>おさかな</strong>
おさかな

May I go to the restroom? はいわゆる教科書的な英語で、すごくかしこまって聞こえるから日常会話では can の方が自然だよ

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依頼を表す can

can の疑問文は、できるのだから「~してくれますか?」のように依頼を表すこともできます。

Can you help me with my homework?
(宿題を手伝ってくれませんか?)

▸ あなたは私を手伝うことができますか → 手伝ってくれませんか?

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可能性・推量を表す can

can のいつでも起こり得るという見方は、言い換えると「そうなることがある」という一般的な可能性を表しています。

この場合、状況や条件から考えて理論的に自然な流れで起こることがあるという可能性を表します。特定の場面で、「もしかしてこうなるんじゃないか」という個人的な見込みを含む場合は may や might を使う点に注意が必要です。

可能性の can が否定文で使われると、何かが起こりうる可能性そのものを完全に否定しやすく、「そうなることはない = ありえない」という強い否定を表す傾向にあります。

Mistakes can happen to anyone.
(ミスは誰にでも起こり得る。)

▸ 一般的にそうなることを表している

It can’t be true.
(そんなはずはない。)

▸ それが真実になることはない = そんなはずはない

<strong>おさかな</strong>
おさかな

口語では It can’t be. と省略されることが多いよ

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can と be able to の違い

can と be able to はどちらも「~できる」と訳されますが、文法上の役割が違います

法助動詞はそれ自体が時制(それがいつの話か)を引き受ける働きがあります。後ろに来る動詞が時制を表さない原形になるのはこのためです。

そのため、例えば will can や have can のように法助動詞の後ろや完了形の have のような時制を引き受ける語句の直後に法助動詞を置くことはできません

つまり、未来形や完了形では can を使うことができないため、代わりに be able to が使われます。

She will be able to pass the exam.
(彼女は試験に合格できるはずです。)

I’ve finally been able to contact him.
(やっと彼に連絡を取ることができた。)

意味の上では、現在時制で使われる能力の can と be able to に大きな違いはなく言い換えできる場合がほとんどです。

英語の現在形は状態や性質、一般的な事実を述べる際に使われます。

そのため、いつでも起こり得るという一般的な可能性を表す can と、~する能力があるという一般的な状態や事実を描写する be able to では大きな違いが生まれにくいのです。

ただし、「…にもかかわらず~する能力がある」のような限定的で具体的な事実を表す場面では、話し手のスタンスを表す can よりも事実として描写する be able to の方が選ばれやすいという特徴があります。

He is able to swim despite his injury.
(彼は怪我しているにもかかわらず、泳ぐことができる。)

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

意味としてあまり違いはないけど、微妙なニュアンスの違いがあることは覚えておこう!

そのうえで、過去時制における could と was able to は使われ方に差がでやすいことがポイントです。英語の過去形は過去に起きた出来事に焦点を当てるためです。

~できたことを表す could は can の過去形として扱われるため、その行為が起こり得たという話し手のスタンスを表します。つまり、実際にできたかどうかは重要ではなく、「やろうと思えばできた」という考えがあったことがポイントになります。

対して was able to は、~する能力が過去の事実として実際にあったことを表します。 つまり、「行動に移した結果として成功した」という部分にまで言及しているのです。

そのため、was able to は過去のある場面でできた一度きりの出来事を説明する際に使われます。

I could enter the university, but I didn’t want to.
(その大学に入学することはできたが、したくはなかった。)

▸ 合格したが入学はしなかった

I was able to enter the university.
(その大学に入学することができた。)

▸ 実際に入学した

<strong>おさかな</strong>
おさかな

「入学した」事実だけなら I entered the university. で十分伝わるよ。was able to は苦労してなんとかできたってニュアンスだね

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

できなかったことに違いはないから否定文は肯定文ほど区別されないけど、couldn’t は「やろうと思ったけどできなかった」 wasn’t able to は「やったけどできなかった」と解釈することもできるね

法助動詞 could の使い方

法助動詞 could は形式上は can の過去形ですが、現在の文脈で使われる場合、時間的な過去ではなく現実との距離感を表します

あえて現在の文脈で過去形を使うことで、その出来事を現実から少し遠ざけて捉えている話し手のスタンスを示しているのです。

つまり can よりも一歩引いた言い方になり、

  • 控えめな推量
  • 丁寧な依頼・提案
  • 仮定法

などで使われやすいことが特徴です。

※仮定法で使われる法助動詞(could, would, might, should)自体に特別な意味がある訳ではないため、ここでは仮定法の説明は割愛します。

<strong>おさかな</strong>
おさかな

否定形 could not は couldn’t と短縮されることも覚えておこう

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過去形としての could

could が can の純粋な過去形として扱われるのは、主に時制の一致が必要な場面です。

could が表す能力や許可といった用法は現在の話し手のスタンスを表すため、基本的には現在の文脈で使われるという点がポイントです。

I could speak English when I was a child.
(子供のころは英語を喋れた。)

▸ 過去のある時点(子供のころ)の能力を表している

She said I could use her pen.
(彼女は私にペン使っていいよ、と言った。)

▸ said(過去の許可)に時制を合わせるための could

丁寧な申し出・依頼を表す could

can の過去形としてのイメージが強い could ですが、実際に使われる could の多くはこの丁寧表現です

could には、もしかしたらという控えめなニュアンスが含まれています。

そのため許可を表す can とは異なり、もしできるなら「~したらいかがでしょうか」という遠慮を含んだ表現になります。現在の文脈で使われることが特徴です。

また can と同様に疑問文では相手に許可を求める形になり、「もし可能なら~していただけますか」という丁寧な申し出・依頼を表します。

You could leave your bags here while you wait.
(お待ちの間、お荷物はこちらに置いていただいて構いません。)

Could I get a footlong Subway Club on Italian?
(フットロングのサブウェイクラブをください。パンはホワイトで。)

<strong>おさかな</strong>
おさかな

ちなみに Italian はパンの種類で footlong は 1 feet (約30cm)のことだよ

可能性・推量を表す could

can のいつでも起こりうるというニュアンスから「~することがある」と物事の可能性を表せるように、could にもこの用法があります。

可能性を表す could も同様に can には一歩及ばないもしかしたらというニュアンスがあり、can と比べて確信の度合いが低いことが特徴です。

  • 推量の can :一般的にそうなる
  • 推量の could:ある具体的な場面で、もしかしたらそうなる

この確信度の差が can と could の大きな違いです。

Driving can be dangerous.
(運転は時に危険だ。)

▸ 一般的な傾向・可能性を表している

It could be dangerous to drive tonight.
(今夜は運転すると危ないかもしれません。)

▸ 特定の状況(今夜)に起こるかもしれない不確実な可能性を表している

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

can は「理屈上そうなる」could は「状況次第でそうなるかもしれない」って感じだね

can と could まとめ

法助動詞の can は能力・許可・依頼・可能性といった複数の意味を表しますが、その根幹にはいつでも起こり得るという話し手のスタンスがあります。

can の過去形としても扱われる could は、単純に can よりも時間的に過去であることを表しているわけではなく、あえて過去形にすることで現実との距離感を示し、もしかしたら起こり得るという can よりも控えめなニュアンスを表しているのです。

can と could の違いはこの確信度の差にあります。

また、よく比較される can と be able to の違いにもこの can と could のニュアンスが関係しています。

現在形では、can と be able to はどちらも能力を表すため明確に使い分けられる場面は多くありません。一方で過去の出来事を表す過去形では、could と was able to には意味の上で大きな違いがあります

was able to は「能力があった結果として実際にできた」という事実を表します。対して、能力を表す can の過去形として使われる could は「やろうと思えばできた」という話し手の判断があったことを表しており、実際に行動に移したかどうかは焦点ではないことがポイントです。

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

can の用法はどれも「いつでも起こり得る」ことを表していて、過去形の could はそれよりも控えめなニュアンスがあることがポイントだね!

<strong>おさかな</strong>
おさかな

Now you can make sense of it.

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