英語にはさまざまな形の疑問文があります。中でも、疑問文の形をせずに質問を表す付加疑問文や間接疑問文は応用的な表現として知られています。
一方で、疑問文の形をしていながら実際には答えを求めない、修辞疑問文(rhetorical question)という形も存在します。
この記事では日常的によく使われる修辞疑問文の表現を交えながら、訳し方や使い方、一般的な疑問文との違いについて解説していきます。
修辞疑問文をマスターすれば、英語の表現力の幅が広がること間違いなしです!

つまり何の役に立つの?

皮肉交じりのちょっと大人な言い回しができるよ!
修辞疑問文とは
修辞疑問文の修辞という語は、日本語ではあまり耳慣れないかもしれません。
- 修:何かをより良くすること(修復、修行など)
- 辞:言葉や言葉づかい(辞書、祝辞など)
この2つを合わせた修辞とは、言葉を巧みに整えて効果的に表現する技法を意味します。
つまり、修辞疑問文とは聞き手に強調・皮肉・感情を印象づけるための疑問文です。修辞疑問文を作るために特別な操作は必要なく、一般的な疑問文と同じ見た目をしています。
大きな違いは、質問をして事実を確認することが目的ではないということです。
日本語でも「私が知らないとでも? = もちろん知っている」のように、疑問の形でありながら言いたいことはほぼ決まっている表現があります。英語の修辞疑問文も同じです。
修辞疑問文では反語(伝えたいことを際立たせる言い方)として、否定形を使って肯定を強めたり、肯定形を使って否定を匂わせたりする傾向にあります。
※ ただし、これは必ずそうなるわけではなく、修辞効果を出すためにそうなりがちなだけということを頭の片隅に置いておいてください。
Do you really think I don’t know?
(私が知らないとでも思った?)
▸ つまり知っていること(Of course, I know.)を伝えたい
Do I look like I know?
(私が知っているように見える?)
▸ つまり知らないこと(I don’t know.)を伝えたい
このように修辞疑問文は、形は疑問文であっても実際には質問していません。
疑問の形にすることで相手に一瞬考えさせ、本当に伝えたいことをより強く伝えるために用いられます。

京都の「いけず言葉」みたいだね
修辞疑問文の見分け方
修辞疑問文は、形は疑問文でも質問が目的ではないのが最大の特徴です。しかし、同じ文でも文脈や話し手の意図によってはただの質問になることもあります。
Isn’t it obvious?
(それは明らかじゃない?)
例えばこの例文は、話し手が本当にそれが明らかなのかどうかを確認したい場合、通常の疑問文として機能します。
一方で文脈的に誰が見ても明らかな場合は、皮肉や反語として「見ればわかるでしょう」といった意味になり修辞疑問文として働きます。
このように、修辞疑問文かどうかは話し手が答えを求めているかどうかで判断されます。形だけではなく、文脈から意図を読み取ることが大切です。
修辞疑問文の使い方
修辞疑問文は、疑問の形で言うことで感情やニュアンスを強く伝えることができます。ここでは、主な用法を3つに分けて紹介します。
強調を表す
強調を表す修辞疑問文は「それは当然だ」というニュアンスを出し、事実や意見を強く印象づけたい時に使われます。特に、否定形で肯定を表すパターンが多いことが特徴です。
Isn’t it funny?
(おもしろくない? = おもしろい)
Who wouldn’t want a vacation like this?
(こんな休暇を欲しがらない人なんている? = 誰だって欲しい)
皮肉・批判を表す
修辞疑問文は相手の発言や状況に対して、否定文ではなくあえて疑問の形で突き放し、皮肉的なニュアンスを加えることもできます。
Do you call this clean?
(これのどこがきれいだって言うの? = きれいではない)
You think that was a good idea?
(それがいい考えだと思ってるの? = いい考えではない)
自問自答を表す
自分に問いかける形で使われる修辞疑問文は、迷いや諦めといった感情を表します。文学的な文章や独り言としてもよく使われます。
What’s the point?
(それって意味あるの? = 意味ない)
Who would have thought?
(誰がこんなこと思っただろう? = 思いもしなかった)

これらの表現は、相手の質問を質問で返す時にもよく使われるよ!
修辞疑問文を用いた慣用表現
英語には、意味や使い方が定形化した決まり文句としての修辞疑問文も存在します。
直訳すると意味が通じにくい場合が多く、文化的背景やユーモアを含んでいるのが特徴です。覚えておくと会話の中で一気にネイティブらしいニュアンスを出せます。
当たり前・当然だよね
| 慣用表現 | 直訳 | 意味 |
|---|---|---|
| Does a bear poop in the woods? | クマは森で排泄するのか? | そんな当たり前のこと聞くな |
| Is the Pope Catholic? | ローマ法王はカトリックですか? | 当たり前じゃないか |
| Is the sky blue? | 空は青いですか? | 当たり前でしょ |
驚き・呆れ
| 慣用表現 | 直訳 | 意味 |
|---|---|---|
| What are the odds? | 確率はどのくらい? | そんなことある? |
| Are you kidding me? | 私をからかっている? | 冗談でしょ |
| Is this a joke? | これは冗談ですか? | ふざけないで |
皮肉・挑発
| 慣用表現 | 直訳 | 意味 |
|---|---|---|
| Who cares? | 誰が気にするんだ? | どうでもいい |
| You and what army? | いったいあなたとどの軍隊が? | お前一人で何ができるんだ? |
| How should I know? | 私がどうやって知っているはずがある? | 知るわけないでしょ |
行動を促す・背中を押す
| 慣用表現 | 直訳 | 意味 |
|---|---|---|
| What have you got to lose? | あなたは何か失うものがある? | ダメ元でやってみなよ |
| What are you waiting for? | 何を待っているの? | 早くやりなよ |
| Why not? | なぜしないの? | いいね、やろうよ |

咄嗟に言えるように練習しておこう!
修辞疑問文に似た表現
修辞疑問文は疑問文の形で質問し、自分の意図や感情をより深く考えさせる表現です。
一方で、英語には疑問文の形をとらずに強い反語・皮肉を表す言い方もあります。
これらは厳密には修辞疑問文ではありませんが、口語では日常的によく使われるため、併せて覚えておくと表現の幅が広がります。
as if, as though
これらは「まるで〜であるかのように」という意味を持ち、反語的に使うと「そんなはずない」という意味になります。
As if I care.
(まるで私が気にするみたいに。 = 気にするはずがない)
He’s acting as though he knew everything.
(彼はまるで全て知ってるかのように振る舞っている。 = 知ってるはずがない)
like
as if や as though よりもくだけた言い方で皮肉っぽさや感情を込めやすいため、口語ではかなり頻繁に使われます。
Like that’s going to happen.
(そんなことが起きるかのように。 = 起きるはずがない)
Like I have the time.
(私が時間を持て余してるかのように。 = そんな時間あるはずない)

皮肉の言い方はいろいろあるってことだね
修辞疑問文 まとめ
修辞疑問文とは、疑問文の形をしていながら実際には答えを求めない文のことです。
疑問の形にすることで相手に考えさせ、強調・皮肉・感情といったニュアンスをより効果的に伝えるために用いられます。
修辞疑問文では反語として、否定の内容を肯定形で表したり、肯定の内容を否定形で表し本音を印象付けることがよくあります。
ただし、重要なのは形そのものではなく話し手が答えをもとめているかどうかです。前後の文脈も踏まえて意図を正確に読み取ることが大切です。
また、修辞疑問文には決まり文句のような表現も多く、日常会話やドラマなどで幅広く使われています。否定形ではないけど皮肉の効果が強い、修辞疑問文と似た働きをするフレーズと一緒に覚えておきましょう。

会話にさりげなく入れられたら、英語が一気にこなれて聞こえるよ!

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