【部分否定・二重否定】実は色々ある英語の否定表現の使い方

否定表現

英語の否定表現は「~でない」「~しない」だけではありません

実は全否定・部分否定・二重否定のような種類があり、否定の範囲(どこまでを否定しているか)によって同じ否定でもニュアンスが大きく異なります

  • 全否定 :文の内容そのものを否定する文(一般的な否定文)
  • 部分否定:内容の一部分だけを否定する文(残りは肯定される)
  • 二重否定:否定をさらに否定する文(結果として肯定の意味になる)

この記事では、これらの違いがなぜ生まれるのかを例文とともに整理していきます。

曖昧になりがちな英語の否定表現を理解して、英文読解力・表現力を一段レベルアップさせましょう!

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

つまり何の役に立つの?

<strong>おさかな</strong>
おさかな

「全部ダメ」とか「ここまでは OK」とかを言いわけられるよ!

※ 英語の否定表現は大きく分けて4種類(全否定・部分否定・二重否定・準否定)があります。

しかし、1度にすべてを勉強するのは大変なので、この記事ではまず全否定・部分否定・二重否定の3つに焦点を当てて順番に整理していきます準否定についてはこちら

全否定とは・例文

英語の否定表現の中でも最も基本なのが全否定です。いわゆる一般的な否定文はこれにあたります

全否定とは、文が表している出来事や状態そのものを丸ごと否定する形です。

no や never など、not 以外にも否定を表す語であれば全否定の文を作ることができるのもポイントです。

That’s not nice.
(それはよくないよ。)

▸ ナイスであることが否定されている

There’s no milk left in the fridge.
(冷蔵庫に牛乳は残っていない。)

▸ 牛乳が残っていることが否定されている

We are never getting back together.
(私たちが寄りを戻すことはない。)

▸ よりを戻すことが否定されている

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部分否定とは

英語の部分否定は、文全体ではなくその中の一部だけを否定する表現です。

「すべてがそうというわけではない」「必ずしもそうとは限らない」といった意味になり、残りの部分は肯定される含みを持つことが特徴です。

動作や状態そのものは否定されず、その動作や状態の程度や頻度だけを否定することがポイントです。

例文で確認してみましょう。

Expensive products are not necessarily better.
(高価な製品が必ずしも優れているとは限らない。)

▸ 必ず優れていることを否定している = 優れていないわけではない

Not quite yet.
(もうちょっとかかりそう。)

▸ まだ完全ではないことを否定している = ある程度は進んでいる

<strong>おさかな</strong>
おさかな

Not yet. は「まだ何も始まっていない」ことを表すのに対し、部分否定の Not quite yet. は「まだ完全ではない = 終わりかけ」を表すことに注意だね

部分否定と全否定の違い

否定の意味を決めているのは、語順そのものではなく否定がどこにかかっているかという否定の範囲の在り方です。

not は基本的に後ろの内容を否定します。

そのため、not 以下の語句が動作や状態そのものを表している場合は、出来事や状態を丸ごと否定する形になるので全否定になります。

反対に、not の後ろに来る語句が動作や状態の程度や頻度について述べている場合は、動作や状態そのものは否定されないため部分否定になります。

  • 全否定 :not が動作・状態を否定
  • 部分否定:not が動作・状態の程度や頻度を否定

I really don’t like fish.
(私は本当に魚が好きではない。)

▸ 魚が好きであるという状態そのものを否定 = 魚が嫌い

I don’t really like fish.
(私は魚がめちゃくちゃ好きなわけではない。)

▸ めちゃくちゃ好きという程度の否定 = 嫌いではない

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

どこを否定しているかがポイントだね

否定文中の either と both の違い

否定の範囲がどこまで及ぶかは、副詞だけでなく数量を表す語によっても変わります

either は、肯定文では主に「どちらか一方」という意味を表しますが、これが否定文で使われると「どちらも~ない(どちらもダメ)」という全否定の表現になります。

どちらか一方でもダメということです。

対して肯定文では「どちらとも」を意味する both は、否定文で使われると「どちらも~というわけではない」という部分否定を表します。

つまり、どちらともはダメだけどどちらか一方なら OK ということです。

  • 否定文の either:どちらも~ない(全否定)
  • 否定文の both :どちらも~というわけではない(部分否定)

I don’t like either.
(私はどちらか一方でも好きではない。)

▸ 両方とも嫌い

I don’t like both.
(私はどっちも嫌いという訳ではない。)

▸ 少なくとも片方は嫌いではない

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

「either A or B」「both A and B」の形でも考え方は同じだよ

not either と neither の違い

not either は neither を使って言い換えることもできます

ただし、either が「either A or B」という形で使われる場合は「neither A nor B」という形をとることに注意が必要です。

either は目的語として使うのが一般的ですが、neither は主語にもなることができます。neither には not の意味が含まれており、否定する部分が明確だからです。

I like neither.
(私はどちらとも嫌いだ。)

▸ neither は not either と同様に「どちらも~ない」を表す

Neither dogs nor cats like being left alone.
(犬も猫も、ひとりにされるのが好きではない。)

▸「neither A nor B」が主語になった形

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否定文中の all と every の使い方

否定の対象が2つ(両方)ではなく3つ以上ある all と every も、基本的な考え方は同じです

これらは否定されると、「すべてが~というわけではない」という部分否定の表現になります。

否定文の both と考え方は同じで、すべてはダメだけどどれかからなば OK という含みがあるということです。

「Not all + 名詞」や「Not every + 名詞」という形であれば否定文中でも主語になることができる点もポイントです。

We didn’t test all the students.
(私たちはすべての生徒をテストしたわけではない。)

▸ すべての生徒がテストを受けなかったわけではないことを表している

Not every student sat the exam.
(すべての生徒が試験を受けたわけではない。)

▸「Not every + 名詞」が主語になった形

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

「すべて」を全否定するなら、all, every の代わりに any が使えるよ

<strong>おさかな</strong>
おさかな

All the students didn’t sit the exam. のように all を主語にすることもできるけど、イントネーションで意味が分かれるから慣れるまでは避けた方が安全だね

二重否定とは

二重否定とは、1つの文の中で否定が2回重なり、結果として肯定に近い意味になる構造です。

英語では、次のような組み合わせで二重否定を作ります

  • not, nobody, nowhere といった否定語同士を組み合わせる形
  • unlucky, impossible などの否定的な意味を表す語と否定語を組み合わせる形

例文で確認してみましょう。

There was nobody who didn’t know of him.
(彼のことを知らない人は誰もいなかった。)

▸ 彼を知らない(否定)人はいないことの否定 = みんなが知っている

It’s not uncommon.
(珍しくはない。)

▸ 珍しい(珍しくないことの否定)の否定 = よくある

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

口語だと、I don’t know nothing. (何も知らないよ。)のように否定を強調することもあるよ

<strong>おさかな</strong>
おさかな

映画やドラマでもよく耳にするから、理解するために覚えておこう!
でも英語学習者は混乱を避けるために使わないほうが賢明だね

否定的な意味を表す語について

英語では、単語の先頭に un- / in- / dis- がついたり、単語の後ろに -less がつくことで否定の意味を表す語が多くあります。

これらは、日本語で言うところの非・不・未・無などにあたり、「〜でない」「〜しない」といった否定のニュアンスを加える働きをします。

un- を前にとる単語

基本語否定語意味の変化
happyunhappy幸せ → 不幸せ
clearunclear明瞭 → 不明瞭
usualunusual通常 → 異常

in- を前にとる単語

基本語否定語意味の変化
completeincomplete完全 → 不完全
possibleimpossible可能 → 不可能
regularirregular規則的 → 不規則
<strong>おさかな</strong>
おさかな

接頭辞 in- は発音の都合上、後ろに続く文字に応じて im- や ir- に変化するよ!

dis- を前にとる単語

基本語否定語意味の変化
agreedisagree同意する → 同意しない
appeardisappear現れる → 消える
likedislike好む → 嫌う

-less を後ろにとる単語

基本語否定語意味の変化
hopehopeless希望 → 絶望
endendless終わり → 終わりのない
helphelpless助け → 助けようのない

but を用いた二重否定表現

no や nobody といった否定語の後ろに続く but は「しかし」を意味する接続詞とは異なる特別な用法をとることがあります。

この but は「~しない人は誰もいない」「~しないものはない」 という意味を表します。 who does not ~ のような関係詞節と近い働きをするため、文法的には疑似関係代名詞と呼ばれます。

<strong>おさかな</strong>
おさかな

名前はさておき、接続詞や前置詞の but とは同じ単語だけど役割が違うことがポイントだね

つまり、疑似関係代名詞の but は意味的に not が含まれており、否定語の後ろに but を用いる文は否定が2回繰り返された形になります。

その結果として、肯定の意味を表すことが特徴です。

There is no one but loves music.
(音楽を愛さない人はいない。)

▸ 誰もが音楽好きということを表している

I never met a man but had a flaw.
(欠点のないやつなんて一度も会ったことがない。)

▸ 誰しも欠点があることを表している

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

but が関係詞的な働きをして、「主語 + not」として使われてるよ

二重否定的な慣用表現

英語には否定の語句を二重に用いることで、実質的に強い肯定の意味を表す慣用表現がいくつか存在します。

中でも代表的なのが never without doingnever fail to do という形です。

never without doing は直訳すれば「〜せずに〜することは決してない」となりますが、実際には「〜すれば必ず〜する」「いつも〜する」といった意味合いになります。

何かをするたびに必ず起こる副次的な行動や感情を伝えるために使われる表現です。

一方、never fail to は「〜するのに決して失敗しない」という内容から、「必ず〜する」「〜することを欠かさない」といった意味で使われます。

力強く断定的な印象を与えるため、スピーチや書き言葉でよく用いられます。

I never hear that song without thinking of high school.
(あの曲を聴くと必ず高校時代を思い出す。)

This song never fails to cheer me up.
(この曲はいつも私を元気づけてくれる。)

部分否定・二重否定 まとめ

否定表現には全否定・部分否定・二重否定などの種類があります。これらは文の中で否定がどこにかかっているかによって決まります。

  • 全否定 :動作・状態そのものを否定
  • 部分否定:動作・状態の程度や頻度を否定
  • 二重否定:否定が重なり結果として肯定になる

either, both, all, every といった数量を表す語の否定文中での働き方の違いも、この考え方で説明することができます

否定的な意味を含む単語には un- / in- / dis- / -less のようにスペルに規則性があります。これらを活用することで効率的に語彙力を伸ばせます

これらの要点を意識して読み取りの精度を高め、表現の幅を豊かにしていきましょう

<strong>くろねこ</strong>
くろねこ

否定の仕方はにはいろいろ方法があるってことだね

<strong>おさかな</strong>
おさかな

Studying English takes years. Not that it is impossible to master it.

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